蛸薬師からVol.8 京都のお盆、受け継ぐこと
- 1 日前
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お盆を昔と同じように行う家も、少しずつ減ってきたように思います。
宗派や家によって違いはありますが、彩琳のお客様コンシェルジュマネージャー・桑垣の家では、毎年8月初めに菩提寺へ「おしょらい迎え」に行き、ご先祖様の霊をお迎えするところからお盆が始まります。
お盆には、お坊様に家へ来ていただき、お供えをしたお仏壇の前でお経を読んでいただく「棚経」を。
そして、毎日のお供えを用意します。
お盆には、お坊様に家へ来ていただいて棚経をしていただきます。
そして毎日のお供え。
正直なところ、これが一番大変です。
決まったお膳を用意するのですが、お盆以外にはあまり見かけない「ささげ」や「ずいき」なども使います。


取り扱うお店も限られていますし、近くの和菓子屋さんが店仕舞いされたこともあり、お供え団子や白餅、白蒸しなどを揃えることも、以前よりずいぶん大変になりました。
昔から続いてきたことを、昔と同じように続ける。
簡単なことのようですが、それを支えていた人や店、ものが少しずつなくなっていく中では、決して簡単ではありません。
これは、私たち彩琳の仕事にも通じるところがあります。
京友禅のきものは、一枚が完成するまでにいくつもの工程があり、それぞれの仕事を担う職人の手によってつくられています。
図案を考え、下絵を描き、糊を置き、色を挿し、金彩や刺繍を施す。
長い時間をかけて受け継がれてきた技術ですが、職人や、それを支える材料や道具がなくなれば、同じものをつくり続けることはできません。
だからこそ、私たちは「昔と同じものを残す」ことだけが、伝統を受け継ぐことではないと考えています。
受け継いできた技術や美意識を大切にしながら、今の時代に美しいと思っていただけるものをつくること。
そして、職人の技術がこれからも仕事として続いていく環境をつくり、次の世代へ渡していくこと。
それもまた、彩琳の役割だと思っています。
母から受け継いだお盆の支度をしながら、今年もまた「受け継ぐ」ということについて考えた京都の夏でした。



